イベント|20230912-0915 日本建築学会大会(近畿)@京都大学
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日時: 2023年9月12日(火)~9月15日(金)
場所: 京都大学吉田キャンパス
参加者: 小林正人、D3井澤保一、M2、M1
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旅程
9月12日(火)大会初日 振動PDオンライン参加 → 現地入り
9月13日(水)大会二日目
古澤発表セッション 9:43~10:39
質問:加速度が低減するとあるが、GAP機構を用いることで加速度は増加するのではないか?
回答:OD4と比較すると増加する。OD7を比較対象としているため、加速度は低減を示す。
質問:通常のODとGAP機構の付いたODの性能はどうなっているか?
回答:詳細な諸元は前報に示されている。どちらも同じODを使用している。
回答補足(小林):利用頻度の高い最大減衰力1000kNのバイリニアタイプのダンパーをモデル化している。提案機構はダンパー先端部のGPA機構部分になります。
小林発表セッション 11:41~12:37
質問(犬伏先生(近畿大学)):用途による分析はなされているか?
回答:まだ用途を分けて分析はしていないが、第4期は公共的な施設(病院、庁舎など)が増加している。第3期は集合住宅が多い。これらの影響は出ていると思う。今後分析をしてみたい。
質問(近藤氏(鹿島建設)):ゴムの硬度を下げた積層ゴムが開発されるなど長周期化に影響していると考えられる。そのような状況は把握できているか?
回答:第4期は、すべり支承やCLB(直動転がり支承)の採用ケースが増加している。また、オイルダンパーの使用も増加している。固有周期を伸ばし、応答の性質も改善させる取り組みはデータからは把握できる。
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9月14日(木)大会三日目
平田発表セッション 16:30~17:00
質問:被害が大きいと予想される戸建て住宅は含んでいないのか。また何故除いたのか。
回答:個人情報の保護から詳細な住所情報を入手できず,緯度経度変換の精度が低くなるため除いた。
質問:浸水深0.5-3mに計画が集中しているが,エリアもこのあたりの面積が大きいのか。
回答:0.5m以下のエリアは把握できていないが,0.5-3mエリアは広く3m以上のエリアは限られたエリアにしか分布していないと把握している。
質問:浸水深5-10mエリアは津波が高いのか,標高が低いのか要因は何だと考えられるか。
回答:エリアとしては北海道の南側と把握しているが,標高などは把握できていない。
江原&曽根発表セッション 16:30~17:00
質問:東北地方太平洋沖地震における実際の津波の流速と比較して実験での流速はどのようであったのか。
回答:実験結果を原型換算した流速は実際の津波の流速と概ね対応していると考えられる。
質問:波圧の時刻歴波形はどのようになっているのか
回答:その7の方で説明します。
質問:試験体の固有周期によらず応答加速度の最大値に変化が現れなかったのはなぜか。また,津波荷重は他のものと比較しないのか(一度聞き返したが、よく意図が分かりませんでした)
回答:応答加速度の最大値に変化が現れなかったことについては現状分析できていないので,今後検討していく。津波荷重は流体解析においても免震建物に作用する荷重評価の検討が行われているが,再現解析ではないのでパラメータや条件が異なり、単純比較はできない。→難しく考えすぎました。単純に波圧積分値との比較として,慣性力と復元力の和からも津波荷重を算出しており,両者の対応も確認しているというべきだったか。
質問:応答変位の増幅に関して,今後何か対策のようなことを行う方針なのか。
回答:現状は応答を確認する段階であり,対策までは考えられていない。
質問:模型実験において減衰をどのようにコントロールしているのか。また,時刻歴応答解析では減衰が一般的な免震建物より低く設定しているのはなぜか。
回答:リニアボールスライドの摩擦で減衰を確保しており,現状はコントロールできていない。また,時刻歴応答解析での減衰は模型実験の試験体に合わせて設定しているため,一般的な免震建物より低くなっている。
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9月15日(金)大会四日目
千田&朱発表セッション 9:51~10:39
質問:減衰定数の低減係数αRと今回提案された補正係数αcの違いは何か。
回答:低減係数αRは告示法において地震動の定常性を考慮して用いられるものであり、長周期地震動を対象とした場合、低減係数を用いないことで対応の改善が確認されている。本報では弾塑性系と等価線形系で応答変位を比較すると等価線形系において大きく評価していることに着目し、塑性率を補正することを提案した。
質問:他の地震動への適用性はどうか。
回答:本報では基整促波9波のみを対象に提案を行っており、他の地震動に関しては今後検討を行っていく。
質問:今後は地震動ごとに補正係数を設定する方向性にいくか。
回答:地震動ごとにを検討し、適切な補正係数を提案する。なお、補正係数を設定する際に、一定の基準に沿って、地震動ごとに変わらないように設定する(例えば、全てのケースは安全側に評価するように、など)。
石原発表セッション 9:51~10:39
質問:告示式と提案式でMAPEの精度は大きく変わらないように見えますが,今回の提案式のメリットは何か教えてください。
回答:告示式が安全側の評価であるのに対し,提案式は理論的な検討から平均的な評価が行えるようにしたため,ばらつきは小さくなっている。スペクトルのコーナー周期のみで算出できるため,今回は基整促波のみで検討を行っているが,今後公表されるであろう相模トラフ地震にも適用できるような提案とした。
質問:提案式は既往式と比較し,若干ばらつきが大きくなっているように見えますが,そこはどのように考えていますか。
回答:今回の提案の目的は個々の地震動に対して予測精度を上げる既往式のようなものではなく,ある共通のものを使用することで平均的な評価ができるようにすることであるため,より簡便な方法である程度精度を保ちつつ提案を行った。
舩田発表セッション 9:51~10:39
質問:本検討の結果は他のパラメータを変化させた場合(免震層のパラメータなど)でも、現状の余裕度検討との差は見られないような結果になると考えられるか。
回答:現状はそのように考えている。ただし、擁壁などの基準値を増やした場合は変化することも考えられるので、今後の検討にしたい。
質問:今回の結果は今回のモデルに限ったことなのか、現状の免震建物でも同じような結果になると考えられるか
回答:今回のモデルに限ったことだと考えている。
井澤発表セッション 10:42~11:30
質問:今回検討されている塑性率の程度はどのようなものか。
回答:一般的な超高層建物では、極めて稀に発生する地震動において塑性率を2.0以下とすることがクライテリアとされており、今回検討した耐震構造は同様に設定しております。免震構造の優位性が確保される範囲は極めて稀に発生する地震動を大きく超える地震動レベルであり、免震構造と耐震構造が同等となる塑性率は2.0以上となります。
質問:現在一般的に考えられている余裕度の1.5は今回の検討結果から妥当なものと考えられるか。また、積層ゴムのハードニングの影響が余裕度に与える影響は小さいと考えてよいか。
回答:今回検討したモデルは一般的なクライテリアを設定して設計した免震構造であり、その余裕度は免震構造が優位性を保つ範囲と考えれば、余裕度は1.5よりも大きいと考えることができます。今回の検討のように、地震動レベルに対して塑性率を連続的に評価することで、1.5など、余裕度の数値の意味合いを捉えることができます。純ラーメンモデルの場合、積層ゴムのハードニングにより免震層の変形は小さくなりますが、上部構造の地震力は増えるため、上部構造の変形や損傷は大きくなります。一方、連層耐震壁モデルは、上部構造の変形や損傷は抑えられるが、免震層の変形はハードニングを考慮しても大きくなります。そのため、免震層の変形だけでなく上部構造の変形や損傷を同時に捉え評価することが重要と考えています。
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現地での質問事項(最低3つ)
石原
講演番号21336 Q.レールスライド式を組み合わせた機構は開口率が0となっており,開口率の評価方法では一番良い結果に見えますが,採用が少ない欠点となる理由はあるのでしょうか。 A. 性能的には特にない,スライド幅の確保,施工の問題などがあるためとの回答。
江原
講演番号10011 Q. 浮体の振動が収まっていますが,何か減衰の設定を行われていますか。 A. 流体解析内の粒子による粘性が減衰に影響しているとの回答。
講演番号10021 Q. フルード数が低いように思えましたが,何を基準に設定を行っているのでしょうか。 A. 定常流時にフルード数が1.0となるように設定しているため,解析開始時の設定とは異なっているとの回答。
講演番号21477 Q. 小型模型実験である事による,縮尺の影響はどのような部分に表れていると考えていますか。 A. 粘性減衰が一般的な構造物より小さくなったことに表れているとの回答。
金子
講演番号21046 Q. 低層部低剛性モデルの余裕度は原設計モデルと比較すると低い結果となっていますが、実際の制震構造の設計において余裕度1.45というケースでは採用されることは少ないのでしょうか、1.5以上で採用されることが多いのでしょうか。 A. 少なくない、また1.5以上で採用することが定められているわけでないが、胆振東部地震が発生したことがきっかけで、1.5という値に着目した。
ZHU
講演番号21211 Q. 図5および図6に関して、簡易法は免震層の応答変形の評価が詳細法とよく対応している一方、頂部の応答変形の評価が全体的に危険側評価した原因は何でしょうか。準詳細法の場合はそういう傾向がないのは何故でしょうか。A:簡易法の免震層の評価と頂部の評価が異なる原因はまだ特定できなかった。準詳細法は時々刻々に特性変化を反映しているから、そういう傾向がなかったとの回答。
講演番号21217 Q. 滑動時の摩擦係数は、速度の増大につれて、ループごとに低下する傾向が見られているが、安全側のため耐風設計では最も小さい値で設計するのは望ましいなのでしょうか。A. 発表者は欠席したため、質問できなかった
講演番号21248 Q. 磁気浮上基礎はどういうメカニズムでエネルギーを吸収するなのでしょうか。A. 時間が迫っているため、質問できなかった。
芳野
講演番号22711 Q. S梁の降伏を先行させる等の試験体計画はどのように行ったのでしょうか。また、RC端部のひび割れで側面ではなく、下面のひび割れ(曲げによる圧壊)はどうだったのか気になりました。
講演番号22219 Q.
曽根
講演番号20006 Q.モデルに作用させた荷重はどの程度のレベルなのでしょうか。津波荷重を作用させた解析は行わないのでしょうか。正面からの衝撃荷重に弱いとありますが、実際に使用することを想定すると、津波襲来方向を考慮してシェルターの設置を行うのでしょうか。
講演番号20031 Q.洪水等による定常流のフルード数は実際はどの程度の値になのでしょうか。A.河川の上流下流と場所によってフルード数が異なってくるので一概には言えない。実験・解析を行う際にもフルード数をパラメータとした検討を行っていく必要がある。
講演番号20032 Q.実験結果に影響がでないように閉塞率をより下げることは行わないのでしょうか。A.試験体を小さくしすぎると圧力の計測精度が落ちてしまい、既存の水路の幅は変更することが困難な為、閉塞率をより下げることは難しいと考えている。
舩田
講演番号21212 Q. 積層シリコーンゴムの一体型とはどのように製造しているのか。
シリコンゴムを硬化剤と練り混ぜて肩に流し込み、気泡を取り除いて練り混ぜることを繰り返した後に硬化させている
講演番号21057 Q. フラジリティ曲線と地震ハザード曲線を組み合わせて損傷レベル超過確率を算出しているが具体的にどのように算出しているのでしょうか
講演番号22592 Q. 対数正規分布関数の算出において86%と16%を用いているのはなぜか。
平田
講演番号20029 Q.見附面積が同じものでも波圧が異なるのは何故でしょうか。A.形状によって津波進行方向の奥行きが異なるためそれが関係していると思われるが,分析はできていない。
講演番号20030 Q.名古屋市より想定最大浸水深が大きいという理由で選定したT市とI市で,構造安全性が確認された津波避難ビルの割合が大きく異なっているのは何故だと考えていますか。A.I市は他の地域に比べて流速が大きいためそれが一次判定に影響していると考えられる。
講演番号21125 Q.水害対策が個別の建物でも求められるとあるが具体的にどのような対策があるのか。
千田
講演番号21285 Q.図6においてdrA/dmaxBの値を0.1で場合分けをしたのはなぜでしょうか。また、0.1以上の場合は値が大きくなるほど顕著に変動するのでしょうか。
講演番号21292 Q.図4,5より、0.001cm以外の0.01cmや0.1cmでもその前後で傾向が異なっているように見えたが、各微小変位の設定理由は何なのでしょうか。
講演番号21426 Q.擬似速度応答スペクトルのレベルが同程度であっても応答性状が異なった原因としてどのようなことが考えられるのでしょうか。
古澤(古澤さんが質問する場合は、院生が適切にサポート)